第6回指導者研修会レポート 原野昭子(長崎教室・準師範)

2009年5月24日(日)
長崎県立総合体育館武道場にて第6回指導者研修会が開催されました。各教室から20人が参加しました。長谷川くみ子支部長を講師に迎え、たっぷり3時間の実技と講話の時間を設けていただきました。今回のテーマは「虚心使人進歩(謙虚は人を進歩させる)」「勿忘初心(初心忘るべからず)」ということで、現在指導者として「気付かないうちに高慢になっていないか、謙虚な心で学ぶ姿勢を失っていないか」を自分たちに問いかけるところから始まりました。
最初に基本として守るべき指導の手順についての説明がありました。楊名時太極拳の指導は楊名時先生のオリジナルであり、型を覚えることが主眼ではなく、先生のお言葉によれば「呼吸を整え、心を平安にし、ゆったりとした気持ちになることが大事です」。そして「楊名時太極拳 指導者十訓」を読み、心構えを再確認しました。
実技においては『「掌」及び定式における「虚領頂勁」「氣沈丹田」』について学びました。手型「掌」では、手のひらが固くならないこと、曲面を保つことをつかむために実際に全員がボールを握ってみました。
続いての「虚領頂勁」では立ち方の稽古をしました。頭を虚にし、首を含めた頭部が軽くなって大空に吸われている感覚、身体が緩められて膨張する感覚を持つことで、頭部の緊張が抜けて顔が柔らかい表情となることを実感しました。この感覚を身につけるために不可欠となるのが「氣沈丹田」。 「虚領頂勁」と「氣沈丹田」は表裏一体であり、どちらもおろそかにできない関係にある。(研修会テキストより)
続いて全員で二重の円での百花拳を行いました。そして山口さとみ支部長よりアイソメトリック運動を取り入れたストレッチの方法の紹介があり、後半の八段錦を行って閉会しました。改めて太極拳の奥深さと楊先生の高潔なお人柄を感じ、身体も心も清々しくなって、大変充実した研修会となりました。